今日はワインに酸化防止剤が入っている理由について

つくば市フレスタプラス@あらの珈琲 焙煎人荒野です。
今日はワインに酸化防止剤が入っている理由についてです。


市場で販売されているワインのほとんどには酸化防止剤が含まれています。酸化防止剤無添加ワインが
あることから、日本では「酸化防止剤は身体に悪い」と思っている方も、、、、 しかし果たして本当
なのか?そもそも酸化防止剤にはどんな役割があるんでしょうか?


■ワインに入っている酸化防止剤

ボトルの裏ラベルに「酸化防止剤(亜硫酸塩)」と記載されていますよね。市場に出回っているほぼほぼの
ワインに使用されています。亜硫酸塩はワインの酸化を抑えるだけでなく、食べ物を漂白する漂白剤として
も使われています。ワイン以外で亜硫酸塩が入っている食べ物は、ドライフルーツ甘納豆、デジョンマスタ
ード(フレンチマスタード)等です。

ワインの場合は微生物の働きを抑えたり、酸化を防いだりするため醸造過程で何回かに分け亜硫酸塩が加えら
れます。なので逆に言うと亜硫酸塩のおかげで安心してワインが飲めると考えても良いわけですよね。



■ワインを飲むと頭が痛くなる??
よく耳にする話しです。中には赤ワインは頭痛になりやすいけど、白ワインは大丈夫っていう方もおります。
これまで頭痛の原因は酸化防止剤ではないかとする説がありました。しかし実際は亜硫酸塩でなく「ヒスタミン」や「チラミン」が頭痛を引き起こす説が有力です。どちらもマロラクティック発酵という行程で発生する物質
で 特に赤ワインに含まれているからですね。

※ヒスタミンは血管を拡張させる作用を持ち、チラミンは血管を収縮させる作用を
もっており偏頭痛の原因のひとつです。

因みに「チラミン」はチーズなどに多く含まれているアミノ酸の一種でチーズを一気にたくさん食べると頭痛の
原因にもなるとか。。。




※「マロラクティック発酵」とは、、、
通常のアルコール発酵後に行う行程で
・酸味を和らげる
・味わいに複雑味を出させる
・ワインの微生物に対する安定性を強める

以上のような効果を得るため果汁やワインの中に含まれるリンゴ酸が乳酸菌の働きによって、乳酸と炭酸ガスに
分解される発酵のことを意味します。




■酸化防止剤が添加されるタイミング
果汁の状態、アルコール発酵時、ボトリング前などのタイミングが一般的です。
ブドウの果皮にはたくさんの酵母菌が付着しています。アルコール発酵の工程では良い香りを出させる
酵母と同時に、不快な香りの原因になる物質も出てくる可能性もあるためこのタイミングで添加されます。
ワインが酸素と触れるボトリング時も超デリケートな瞬間ですのでここも添加のタイミングです。


■ワイン造りにおいての酸化防止剤の役割

①雑菌の増殖を防ぐ
収穫後のブドウには雑菌が付着しており、雑菌をそのままにして行程を進むと、発酵が途中で止まったり、
不快な臭いが精製されてしまいますあ。ブドウ果汁を殺菌し、不快臭を防ぐために亜硫酸塩が添加されます。


②酸化による劣化を防ぐ
ワインは酸素と触れると様々な反応を起こします。樽熟成などは樽内で僅かな酸素に触れさせることでまろ
やかさを出したり、複雑な香りを高める効果がありますね。ワインのアルコールがふれ合うと酢酸が生成さ
れます。しかし! これが度が過ぎると酸味が強くなったり、さらには不快が香りの原因となります。 
ワインが酸素と触れて劣化するのを抑える働きもあります。



以上がワインに酸化防止剤が入っている理由です。どんな高級ワインにも酸化防止剤は適時適量入って
いて酸化防止剤で頭が痛くなるという話しも近年誤りつする説も有力となってきました。
『安全で美味しいワインを飲んでもらいたい』からこそ各国のワインメーカーは酸化防止剤を使って
ワインの味わいを守っているわけですね。あまり敏感になり過ぎも如何なものかと、、、。
少なくとも当店で販売しているワインはご心配なく安心して愉しんでくださいね。