『イタリアの奇跡』と呼ばれるフランチャコルタってどんなワイン?

つくば市フレスタプラス@あらの珈琲 焙煎人荒野です。今日のテーマは「フランチャコルタとはどういうワイン?」です。


北イタリア・ロンバルディア州東部のフランチャコルタ地域内で、瓶内2次発酵方式で造られるスパークリングワインです。厳しい規定を守って造られる品質は、『イタリアの奇跡』とか「フランチャコルタの奇跡」と呼ばれるほど、イタリアでは高級ワインの名声を得て高く評価されています。



日本では、「シャンパン」と言う呼び名があまりにも有名なために、「シャンパン(シャンパーニュ)」が泡の出るワイン(スパークリングワイン)の総称のように使われることが多いです。※全ての泡はシャンパンって思っている方もまだまだおりますね。あぁ残念!しかし、フランスのシャンパーニュ地域で決められた製造規定の下に造られたスパークリングワイン以外は、「シャンパン(シャンパーニュ)」と名乗ることが許されていないのです。※フレスタの常連さんはさすがにこの辺はOKですけどね・・・これと同様にフランチャコルタ地域という限られた生産地域内で、多くの条件を満たして初めて「フランチャコルタ」という名称をラベル(エチケット)に表示できます。



■フランチャコルタというワインの産地
イタリア北部・ロンバルディア州の州都ミラノからほど近い東部のブレーシャ県、フランチャコルタ地域一帯のことをさします。その地域で造られる”瓶内二次発酵方式のスパークリングワイン”がフランチャコルタなんですね。


■フランチャコルタの製造方法・工程

フランチャコルタ協会の厳格な規定に従い、瓶内2次発酵方式(メトド・クラッシコ)で造られています。シャンパン同様に瓶内2次発酵といわれる方法は、さまざまなワイン製造方法の中でも特に手間がかかります。



◎フランチャコルタで使用するぶどう品種

1. シャルドネ(フランチャコルタ総面積の約80%に相当する栽培量)
優れた質感、豊潤で香り高く複雑なアロマ、フルーティーでフローラルな鼻に抜ける香りが特徴な国際品種。

2. ピノ・ビアンコ
しっかりとしたボディーを与えてくれます。エレガント、しっかりとした酸味が鮮やかで、焼きたてのパンの皮を思わせる香りがします。

3. ピノ・ネーロ
フランスのブルゴーニュ地方原産「ピノノワール」ですね。主にフランチャコルタのロゼ、ブランドノワール(黒ブドウ100%でつくる)、ミッレジマート(ヴィンテージ付)とリセルヴァに使われ、寿命の長いワインになります。


4.エルバマット
フランチャコルタ地域の土着品種。シャルドネやピノ品種に比べ晩熟なので収穫が約1か月遅くなります。しっかりした酸味があるので酸度などより高めたいフランチャコルタを生産しているカンティーナが使っています。


収穫後→低空気圧法圧搾機を使用し、空気圧を利用した機械でゆっくり果汁を搾ります。因みにフランチャコルタに使用するブドウ果汁は、1番搾りの物に限られます(シャンパーニュは、2番搾りまで)。


第1次発酵・・・常約17度ほどで温度管理されたステンレスタンクで第1次発酵を行います。発酵期間は約7ヶ月~8ヶ月程度。→調合・・・第1次発酵した原酒のワインを調合します。→瓶詰め・・・ワインを瓶詰めするときに、新たに酵母と蔗糖を加えます。→瓶内2次発酵・・・瓶の中で酵母が糖分を食べ、さらに発酵が起こるため、炭酸ガス(CO2)が発生します。その炭酸ガスが瓶内に封じ込められ、ワインに溶け込むことにより、発泡酒特有の泡の成分になります。

※フランチャコルタは、ボトルが平衡に保たれた状態で最低18ヶ月熟成させることが規定で決められています。シャンパーニュの最低15カ月やスペインカヴァの最低9か月に比べ、熟成期間の違いにおいても非常に厳しい規定になっています。長期間熟成させることによって、きめ細やかな泡になり、長く寝かせることで味わい深くなるためですね~。



■フランチャコルタの種類・カテゴリー
1.フランチャコルタ ブリュット
ワイナリーのベースとなるカテゴリーです。瓶内二次発酵と酵母の澱を入れたままの熟成期間は最低18ヶ月。収穫期から数えて、醸造と熟成期間は最低25ヶ月。


2.フランチャコルタ サテン
フランチャコルタには、世界で唯一称することができる「サテン」というカテゴリーがあります。「サテン」というカテゴリーがあることを覚えておいてください。

白ブドウ(シャルドネ、ピノビアンコ)だけで造る所謂シャンパーニュでいう「ブラン・ド・ブラン」やさしい味わいです。シャルドネ100%で作るカンティーナがほとんどです。フランチャコルタは、通常は5気圧以上のものが多いですが、サテンのガス圧は5気圧以下で作る規定があり、気圧が低くなる分、口あたりがとてもクリーミーでなめらかなのが特徴です。


3.フランチャコルタ ロゼ
黒ブドウの皮をブドウ果汁と数時間(各ワイナリーにより違う)一緒に漬け込むことで色合いを出すセニエ ? マセラシオン方式です。シャンパーニュでは、ロゼを製造する際、赤ワインを混ぜる製法が認められていますが、フランチャコルタでは、赤ワインを混ぜる製法は認められていません。



4.フランチャコルタ ミッレジマート
イン全てが単一ヴィンテージ(85%以上)でできている事を意味します。ミッレジマートは特別に品質の良いヴィンテージに造られ、マルチ・ヴィンテージ(複数のヴィンテージのブレンド)よりも更に上のクラスのワインとなります。収穫から少なくとも37ヶ月経たないと市場にリリースすることはできません。




5.フランチャコルタ リセルヴァ
リセルヴァは極上の品質のミッレジマートで、その香りと味わいを最大限に際立たせるために、酵母の澱を入れたまま何年間も熟成させて造ります。生産規則では最低熟成期間を5年と定めています。つまり、フランチャコルタ・リセルヴァは収穫から市場に出荷されるまでに最低67ヶ月(5年半)かかります。


■フランチャコルタとシャンパーニュとの違い
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最重要点は、土壌や気候、緯度!!
フランスのシャンパーニュ地域で造られたスパークリングワイン以外は、「シャンパン(シャンパーニュ)」と名乗ることが許されていない同様フランチャコルタ」地域という限られた生産地域内で、多くの条件を満たして初めて「フランチャコルタ」という名称をラベル(エチケット)に表示できます。フランチャコルタは、シャンパーニュを超える厳しい規定を義務付けているため、比較的短い年月で高い品質のワインを製造することに成功しました。


土壌や気候、緯度!!これらの要因は大きいです!

シャンパーニュを製造しているフランス・シャンパーニュ地域は、北緯49度の場所に位置。ブドウ栽培の北限である北緯50度に近い場所で、ブドウ生育期間の年間平均気温が16.5℃以下という冷涼な大陸性気候になります。片やアルプス山脈をはさんで南側にある、イタリア・フランチャコルタ地域は、北緯45度の場所に位置。ブドウ生育期間の年間平均気温が20℃の温暖な気候です。ロンバルディア州は大陸性気候ですが、イゼオ湖という湖があるために寒さが緩和されるんですね。ズバリ!ブドウの完熟度に差が出ます。ブドウの完熟度が高く、心地よい酸味と果実味豊かな味わいになります。フランチャコルタ地域内で栽培される80%程がシャルドネ品種で、フランチャコルタはシャルドネが主体のワインであるのが特徴です。瓶内二次発酵なので同じ製法ですが、味わいや性格は、異なるワインと考えた方が良いですね。




■料理に合うスパークリングワイン「フランチャコルタ」
フランチャコルタ最大の特徴は、料理に合わせやすい!イタリアン、フレンチはもちろん鮨や懐石料理、天ぷら、お鍋、甲殻類など、繊細な和食にも非常に良く合います。フランチャコルタ地域では、ディナーだけでなく、アペリティーヴォやランチでもフランチャコルタが良く飲まれいるみたいです。まぁとにかく和食との相性バッチリなのでこの機会にぜひ体験してみてください。特に天ぷらは最高だとおもいます。




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