
夏に飲みたくなる白ワインのひとつ イタリア中部マルケ州の土着ぶどう「ヴェルディッキオ種」で造られた辛口の白ワイン。初夏に魚介料理と楽しめたら最高です。
◆イタリア中部アドリア海に面するマルケ州の「ヴェルディッキオ」
海沿いにはどこまでも続くビーチがあり海水浴を楽しむ人たちで賑わいます。レストランのメニューには、新鮮な魚介類を使ったシーフード料理がズラッと並びます。

「ヴェルディッキオ」はここ、マルケ州に深く結びついた土着品種で、16世紀の書類に既にその呼び名を確認することができ、19世紀末にはブドウ品種学者により「マルケ州の最も重要な白ブドウ品種」と名言されています。
しかし・・・・20世紀後半に不運の波に呑まれそうになったヴェルディッキオ。

※6月の試飲販売会にも登場した「アンフォラボトル」
1950年代にデザインされたアンフォラ型のボトルに詰められたヴェルディッキオが世界的に大人気となり、そのスタイルを多くの生産者が真似て量産するようになったのです。結果は・・・お決まりのワインの質の低下を招き、ヴェルディッキオのイメージが大きく下落することとなります。
ところが1980年代、量より質へ、意欲的な生産者により収量を制限した高品質なヴェルディッキオが瓶詰めされるようになりました。その努力が徐々に消費者に認められ、安ワインのイメージを塗り替えることに成功し、今再び「マルケの最も重要な白ブドウ品種」として復活したのです。
現在、ヴェルディッキオから造られるワインはさまざまなタイプがあり、
〇スパークリングワイン
〇スティルワインは辛口から甘口まで
〇気軽に楽しめるデイリーワイン~時間をかけて楽しめる長期熟成タイプ
と幅広く、バラエティに富んでいますね!

ヴェルディッキオの重要産地は2つ!

ひとつは、「ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ」※↑地図②
標高約200mから500mの丘陵地帯。海の影響を受け、ヴェルディッキオの特徴である酸とミネラルを保ちながらも、ふくよかな果実味がある親しみやすい味わいのヴェルディッキオを生むエリアです。後味に良い意味での苦みがあるのも良い感じです。
もうひとつは「ヴェルディッキオ・デイ・マテリカ」↑地図①
海の影響の少ない内陸エリア「マテリカ」、昼夜の温度差が大きく、厳格な酸とミネラルを持った熟成能力の高いワインを生みます。マテリカのヴェルディッキオはイエージに比べ、エリアも小さく生産量も少ないので、日本ではまだ馴染みが浅いかもですね。

マテリカはアドリア海から60kmほど内陸に入った土地ですが、
最大の特徴は四方八方を山に囲まれている点。
アペニン山脈に属するシビッリーニ山地から連なる山々にマテリカの西側(アペニン山脈側)だけでなく、東側(アドリア海側)も囲まれた谷間の土地であることです。アドリア海側を、海に対して平行に走る山脈が隔てていますので、海の影響を受けにくい内陸性の乾燥した気候となります。
標高は約400~500m、カステッリ・ディ・イエージのエリアと比較し、季節による気温差が大きく、また昼夜の気温差も大きいため、ブドウはフレッシュなアロマと高い酸味を保ちながら、ゆっくりと成熟していくのがマテリカのヴェルディッキオの特徴です。
このような地形がもたらす気候の影響で、カステッリ・ディ・イエージのヴェルディッキオとマテリカのヴェルディッキオは大きく表情が変わるんですね・・・・
海沿いに近く「カステッリ・ディ・イエージ」のヴェルディッキオには
魚介料理が似合います。
古代ギリシャ人の港として栄えたアンコーナは、
今でも港湾都市として重要な拠点となっている港町です。
アンコーナの名物料理「アンコーナ風魚介のスープ(ブロデット)」は
13種類もの魚介類をトマトで煮込んだ濃厚な味わいらしく、このスープにはヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージは欠かせません!!っていうくらいの定番中の定番。

※アンコーナ風魚介のスープでつくるパスタ。

※マルケはウサギをよく食べるみたいです。↑
そしてマテリカの酸味とミネラル感が強い引き締まった味わいには、鶏やウサギなどの白身肉料理やハム、チーズがとても良く合います。
とはいえマテリカのワインも魚介料理にいけますし、カステッリ・ディ・イエージのワインも幅広い料理に合わせられます。これも食事とともに歩んできたイタリアワインならではの懐の深さを感じますね。
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