
昔のシャンパーニュは甘かった!!マジでっ?
シャンパーニュはいまから150年くらい前は甘いお酒だった。1リットルあたりの糖分量は、もっとも辛口を好んだというイギリス向けのものでも100g、フランス向けで200g、もっとも甘口を好んだというロシアの貴族たちに向けられたものには、1リットルあたり250gもの糖分が含まれたものもあったという。
辛口を初めて出荷したのは1811年創業老舗シャンパーニュメゾン『ペリエ・ジュエ』で、1856年のこと。その糖分量は1リットルあたり20~22gだったそうで、イギリスに向けられたものでした。1869年、現在のモエ アンペリアルの原型であるブリュット アンペリアル(※↑の画像)をモエ・エ・シャンドンがリリースした際は、100g/リットル以下の糖分量。これは、現在のコカコーラくらいの糖分量です。なので相当甘かったことが伺えます。
現在では、そこまで甘いシャンパーニュにはまずお目にかかれないでしょ。
現在のシャンパーニュは1リットルあたりの糖分量に応じて、ラベルの表記が変わり
Extra Dry(エクストラ・ドライ) 12~17g/L
Brut (ブリュット) 12g/L以下
Extra Brut (エクストラ・ブリュット) 0~6g/L
だいたいこの辺りの残糖量が主流です。
辛口のシャンパーニュでは、3g未満、または全く糖分を加えていないとBrut Nature(ブリュット・ナチュール)、Pas Dose(パ・ドゼ)、Dosage Zero(ドサージュ・ゼロ)などの表示が認められています。
シャンパーニュ以外のスパークリングワインでも同様の基準と表記を採用している場合がほとんど。
甘くないスパークリングワインが欲しい人は、ブリュット、エクストラ・ブリュット、ドサージュゼロ
を選べばOKです。

◆現在は辛口が普通
いま、シャンパーニュといわれてイメージする、もっとも普通のシャンパーニュがブリュット。
さらに最近は低ドザージュ(甘いリキュールの糖分添加)傾向で、ブリュットといっても10グラム未満が当たり前。あえてもう一段階辛口のエクストラ・ブリュットをラインナップに加えたり、ドザージュゼロに踏み込む造り手が増えている。
●低ドザージュトレンドの理由・・・・
①そのほうがシャンパーニュファンに人気があるから、
②素材の味を重視した食事が増えたからという理由がある。
さらにプラスの要因として以前よりもシャンパーニュ地方が温暖化して、ブドウの熟度を上げやすくなったこと、
栽培・醸造技術の進歩で、素の状態のワインでも表現方法が増え、ドザージュがなくても複雑なシャンパーニュを造れるようになったことも関係しています。

