イタリア・ウンブリア州『アルナルド・カプライ』

現当主:マルコ・カプライ
◆唯一海に面していない州、ウンブリア
イタリア半島のほぼ中央、山岳地帯が半分以上を占める唯一海に面していない州、ウンブリア。アペニン山脈の西側に広がる山と丘と湖が織成す“緑の心臓”と呼ばれている美しい州に、サグランティーノ種の復興の主役と呼ばれているワイナリー、アルナルド・カプライがあります。州都ペルージャは古代エトルリアに始まる観光学術都市で、織物業と食品工業も盛んです。トスカーナほどの知名度はありませんが、旅人を再度呼び寄せる魅力ある地域と言われています。

ウンブリアで最も注目が集まる産地はペルージャに近いモンテファルコ。ここで栽培されるサグランティーノという品種は非常に個性的な品種で、色が濃く、果実味豊かで、アルコール度数が高く、タンニンが強く、とにかく濃厚。世界で最もポリフェノール含有量が多い品種とされ、DOCGモンテファルコ・サグランティーノMontefalco Sagrantinoは濃いワインを好む国際市場で高い人気を誇る。

海がないウンブリアの料理は肉と野菜が中心。ひよこ豆、インゲン豆、レンズ豆などの乾燥させた豆類を多く食べるのがウンブリアの特徴。小さめのレンズ豆「レンティッキエ・ディ・カステッルッチョ」は高級品である。スペルト小麦も名産で、それを使った「ミネストラ・ディ・ファッロ」は伝統料理。

※小麦の原種ファッロ(スペルト小麦)を
新じゃがやえんどう豆など春野菜と一緒に
炊いた具沢山スープ。
肉料理もシンプルなものが多く、鳩、羊、ヤギなどは炭火焼きで食べられることが多い。


■アルナルド カプライの歴史
ワイナリーのスタートは1971年、アパレル業界で成功を収めたアルナルド・カプライ氏が夢であったワイン造りを行うため、モンテファルコ村のヴァル・ディ・マッジョの畑を5ha取得。数種の品種が畑に混植されるのが普通だった時代に「サグランティーノ種」のみを植えることはかなり革新的な事でありました。第二次大戦後の高度成長期に若年労働力を多く必要としたため多くの若者が農業を捨て工場で働くようになり、農村は荒廃。
そんな状況下個性が強烈でその上収穫量が少なく、あまり作られていなかった貴重な土着品種サグランティーノを復活させた・・・
サグランティーノへの挑戦!!
アルナルド カプライが飛躍的に発展したのは、1988年に、長男マルコ・カプライ氏がワイナリーに入社してからの事です。
世界一ポリフェノール含有量の高い品種で、通常の赤ワインとして食事と共に楽しむのは困難と考えられ、陰干しして甘口タイプとして造られていました。しかしこの品種の驚くべき特徴に可能性を感じていたマルコは、世界に通用する高品質ワインにすべく次々よ改革に着手。
○ミラノ大学から栽培コンサルタントとして教授を招きクローンの選抜に着手。
○栽培方法、剪定方法、フレンチオークを採用する等の改革
○DOCモンテファルコ・サグランティーノ→DOCGへ昇格させる。
マルコの尽力が認められカプライのワインが国際的に成功。サグランティーノ種が世界に知られるきっかけとなる。

DOCG昇格の翌年、1993年に創設25周年を記念したアイテム、『モンテファルコ サグランティーノ25anni』が誕生。破格の凝縮感を誇る風格ある味わいで、世界的な名声を得る。※今回の試飲販売会にも登場します。
このワインは初ヴィンテージでいきなり、「ガンベロ・ロッソ」(ワイン版ミシュランガイド)にて最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得、その後も毎年連続して3つ星最高評価獲得しています。ワイナリーとしても、2001年にイタリアソムリエ協会から最高の造り手として、ワインのオスカー賞『Oscar del Vino』を獲得。

マルコの信念(輸入元一部抜粋)

サグランティーノ種はポリフェノール含有量が異常に多く大量の酸素を必要とするので、唯一可能な熟成容器はバリック!! (225Lのオーク樽)と、マルコは熱く語ります。
“ただでさえタンニンの多いサグランティーノ種にバリックのタンニンを加える事を恐れる生産者がいるが、それは間違い。成熟した良質なタンニンであれば、それがサグランティーノの特徴であり恐れる必要は全くない。その過剰な個性を、最大限に魅力的なものにすれば良い。タンニンを怖がって早く収穫するから逆に未熟なタンニンが残ってしまう。そのタンニンを大樽で長期熟成して和らげようとしても無理!”サグランティーノ=バリック熟成!!と毒舌を吐くマルコ。
今回カプライのワインがスペシャル企画(別途有料試飲)含め3種類登場します!
めちゃくちゃ楽しみな企画です。