イタリア高級赤ワイン『アマローネ誕生秘話』


『アマローネ誕生秘話』
陰干しぶどうから醸されるイタリア高級赤ワイン「アマローネ」。
現代のアマローネ誕生のきっかけを作ったのはアマローネクラシコ地区の銘醸地のひとつネグラールに1933年設立した歴史的生産者協同組合『カンティーナ ヴァルポリチェッラ ネグラール』

230の組合員から成り立つ実力者揃いの組合です。


ワイナリー設立当初の1930年頃はヴェネツ州ヴァルポリチェッラでは陰干し(アパッシメント)されたブドウから造られる「レチョート」(甘口ワイン)が一般的でした。収穫したブドウを陰干しし、アルコール発酵をさせる過程で酵母の働きを止めて糖分を残した状態で発酵をストップすることで甘口に仕上げていました。

ところが!!1936年、レチョートを発酵させていた樽のひとつを発酵を止めることを忘れてしまい、気がついたときには全ての糖がアルコールに変わってしまっていました。(泣)

「これは単なるアマーロではない、アマローネだ。しかも偉大なアマローネだ!」

それに気付いた醸造責任者は「甘口のレチョートではなく、辛口(アマーロ)のレチョートになった」と組合長に伝えました。そのワインを試飲した組合長は「これは単なるアマーロではない、アマローネだ。しかも偉大なアマローネだ!」と叫んだのです。

アマローネ(amarone)は、アマーロ(amaro)を強調する言い方。彼はこのワインがアマーロ(辛口)のレチョートではなく、もっと偉大な辛口(アマローネ)のレチョートだ、と瞬間的にわかったのです。



発酵を止めることを忘れてしまい起きたこのパプニングをきっかけとなり、
現代につながる偉大な赤ワイン「アマローネ」が誕生したのです。


因みに「アマローネ」を誕生させた歴史的生産者組合『カンティーナ ヴァルポリチェッラ ネグラール』
は2016年、2017年、2019年の3度に渡って「ベストイタリア協同ワイナリー」に選ばれた、アマローネを代表する協同組合なんですね。。。