イタリア・ピエモンテ州土着白ワイン品種「アルネイス」。
イタリア・ピエモンテ州土着白ワイン品種「アルネイス」。
ピエモンテの方言で「いたずらっ子、へそ曲がり」を意味するぶどうアルネイス。一時は絶滅しかけた過去を持つ品種です。今回はそんなアルネイスについて、詳しく・・・・
ピエモンテ原産の白ワイン用品種です。歴史は長く、一説によれば15世紀には既に栽培が始まっていたと言われています。
洋ナシや白い花のアロマに加え、他の品種ではあまり見られないアーモンドやヘーゼルナッツなどの香ばしい香りをもつことが特徴と言われています
※(ヘーゼル?アーモンド?そう言われてるけど・・・一度も感じたことはありません。。笑)
そして酸が少なく熟しやすいのもアルネイスの特徴である。
◆白いバローロ?
かつては「ネッビオーロ・ビアンコ」、または「バローロ・ビアンコ」と呼ばれていた時代がありました。
ネッビオーロと遺伝子的関係はありませんが、この二つの品種は歴史上、非常に密接な関係を持っています。
かつてアルネイスは、その果実の香りの強さから、虫や鳥の食害から守る目的で、
いわば「バローロの囮」としてネッビオーロのブドウ畑に混植されていた歴史があります。
当時からバローロに使われるぶどう『ネッビオーロ』は貴重な品種とされ、多くの生産者がネッビオーロを食害から守るために試行錯誤していたのです。
それだけでなく、ネッビオーロの強いタンニンを和らげて上品さを引き出す目的で、バローロとバルバレスコに混醸されていたことから、「ネッビオーロ・ビアンコ」や「バローロ・ビアンコ」と呼ばれるようになっていきました。
しかしそういう時代も長くは続きません・・・・
20世紀に入り、変化が起こります。
バローロ、バルバレスコ生産者たちがネッビオーロ単一使用に焦点をあてはじめ、ネッビオーロ100%のスタイルが主流になっていきます。
その結果、もともとの栽培の難しさや栽培量の少なさも相まって、アルネイスの栽培面積は一気に減少し、消滅への一途を辿っていきます。一時はアルネイス単一のワインを造るワイナリーが2軒のみになってしまったことも。
“ワインルネッサンス”
1980年代に入り好機が訪れます。
“ワインルネッサンス”と呼ばれる動きが起こっていたイタリア。ピエモンテでも土着品種の回帰が見直され、アルネイスの植栽数が増加し始めます。
1970年に45ヘクタールだった培総面積は、1990年には511ヘクタールまで増加、
2010年時点で970ヘクタールとなり、見事な復活劇を遂げた「アルネイス」
2004年にロエロ・アルネイスがD.O.C.G.に認定。
2020年10月には新たなD.O.C.G.テッレ・アルフィエーリが誕生し、今やアルネイスはピエモンテを代表する白ワインと言われています。
※2020年にDOCからDOCGに昇格したワインです。白ワインはアルネイス、赤ワインはネッビオーロがあります。
アスパラガスの爽やかな苦みがアルネイスと相性抜群
アルネイスが栽培されているロエロ地区の砂地ではアスパラガスも育つため、地元ではこのアスパラガスを使ったお料理と合わせて楽しむのがポピュラー。塩とオリーブオイルで軽く炒めたり、パルミジャーノをはじめとしたハードチーズや、フレッシュチーズともよく合います。
そして・・・・アルネイスには魚料理が鉄板です!
ドライでフルボディな味わいが、アクアパッツァ、カルパッチョやお刺身など繊細な生食のお魚の美味しさも引き立ててくれます。
バローロ、バルバレスコの銘醸赤ワインに目が行きがちなピエモンテワインですが、暖かくなるこれからの季節に、アルネイスで造られる個性的な白ワインもかなり魅力的にです。オススメです。
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ロエロアルネイス地区