ボルドーワイン右岸と左岸の違い!
どこから見て「右岸・左岸」に分かれるのか??
川の上流から下流方向を見た際に右手側の岸を右岸、左手側の岸を左岸と言います。(上記地図を参照ください。)
ボルドー地方は、大西洋とそこに流れ込むジロンド川の支流に囲まれた地域です。このジロンド川は、その東に流れるドルドーニュ川と南を流れるガロンヌ川が合流した大きな河川です。
ボルドー地方の
〇右岸というと、このうちドルドーニュ川からジロンド川が流れる東側の地域を指します。
〇左岸というとガロンヌ川からジロンド川が流れる西側の地域を指します。
◇ワインの違い
右岸で造られるワインは、左岸と比べると渋味が穏やか豊満で女性的な味わい。熟成するとブルゴーニュのような優美さを見せるワインすらあります。
左岸で造られるワインは、右岸と対照的に渋味のしっかりとした男性的な味わいです。典型的なボルドーワインの力強いイメージは、左岸のワインですね!
◇品種の違い
では右岸・左岸のワインの味わいはなぜ違うのでしょうか?その答えは至ってシンプル!!
ブドウ品種が違うからです。
とは言え、右岸のワインも左岸のワインも使用されているブドウ品種は自体は同じ。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フランなど複数品種のブレンドで造られています。
しかしブレンドの比率が大きく異なり、右岸はメルロが主体、左岸はカベルネ・ソーヴィニヨンが主体。このブドウ品種の性質の違いが、右岸・左岸のスタイルの違いになっています。
※要は『メルロー主体』か『カベルネソーヴィニヨン主体』で味わいが大きく違ってきます。
では具体的に右岸・左岸の地域ごとの特徴をご紹介します。
右岸の有名産地
・サンテミリオン
世界遺産にも登録されている美しい中世の街並みが残るサン・テミリオン。このアペラシオンでは、主にメルロとカベルネ・フランがブレンドされ、ワインが造られています。土壌はポムロールに隣接するグラーヴ(砂利)エリアと、街の周囲に拡がるプラトー(台地)エリアの二つに分けられます。
グラーヴ(砂利)エリアではカベルネ・フランとカベルネソーヴィニヨンが主に栽培され、一方のサンテミリオンのプラトー(台地)では粘土石灰質土壌から優美な味わいのメルロ主体のワインが造られています。※「サンテミリオンのワイン=メルロー」こんなイメージです。
ポムロール
ポムロルはサン・テミリオンのように格付けを持たない、比較的新しいワイン産地ですが、シャトー・ペトリュスやル・パンなど、ボルドーで最も高価なワインが造られています。サン・テミリオンと同じようにメルロとカベルネ・フランが栽培されていますが、圧倒的にメルロ比率が高く、ワインは果実味豊かで凝縮感のある味わいです。
その最たる代表ワインが、メルロ100%で造られているシャトー・ペトリュスです。
左岸の有名産地
オー・メドック
オー・メドックは、1855年にナポレオン3世による有名な格付けが行われた地域です。格付けされたシャトーはグラン・クリュを名乗ることを許され、さらにその中で1級から5級までにランク分けされています。よく聞く「ボルドーの5大シャトー」とは、この地区の格付け1級に属する五つのシャトーのことです。
オー・メドックのワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られます。
グラーヴ
ワインはカベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られていますが、土壌の違いからオー・メドックと比べると軽やかで芳香性の高いワインが多いです。
5大シャトーの一角「シャトー・オー・ブリオン」は、この地域にありながらも例外的にメドックの格付けに選ばれたことで知られています。何故??
まとめとして・・・
右岸は「粘土質、メルロ、女性的」、
左岸は「砂利、カベルネ・ソーヴィニヨン、男性的」です。
このキーワードだけでも頭の片隅に置いておくと、ボルドーのワインを選ぶ際に役立つかもしれませんよね。