
世界で最も高価なスペシャリティコーヒーとして今もなお注目されるゲイシャコーヒー。国際的なコーヒーの品評会「ベスト・オブ・パナマ」で2004年以降高値を更新し続けています。
名前の由来はエチオピア南西部の地名「ゲシャ」から
ゲイシャはコーヒーの品種の一つで、1931年にエチオピアのゲシャ地区で自生していた種が発見されたのが起源と言われています。
★★~パナマで栽培されるようになり中南米に産地が広がる~★★
エチオピアで発見されたゲイシャ種のコーヒーは、その後コスタリカを経て1960年代にはパナマへと栽培地域が広がっていきます。エチオピアからパナマに持ち込まれたのは、商用ではなくゲイシャ種の持つコーヒーの病気「さび病」への耐性効果を期待されてのことでした。
こうしてパナマから本格的にスタートしたゲイシャ種の栽培地は、中南米へと広がっていきます。
■ゲイシャコーヒー二大産地「アフリカと中南米」
日本で流通するゲイシャ種のコーヒーはパナマ産やコスタリカ産が知られているため中南米のイメージが強いですが、起源はアフリカ・エチオピア。日本で手に入るゲイシャコーヒーにはエチオピア産も多く見られます。
それでもなお、パナマ産のゲイシャコーヒーはその香りの高さからゲイシャ種の中でも最高級レベルとして評価されています。され続けています。

—-コーヒーの品評会「ベスト・オブ・パナマ」で優勝——
2004年にパナマで開かれたコーヒーの国際品評会「ベスト・オブ・パナマ」に初めてゲイシャコーヒーを出品。当時の落札最高額を更新して優勝したことがきっかけで、ゲイシャコーヒーは世界的に注目されるようになります。
ゲイシャコーヒーは香り高い風味で最高級のスペシャリティコーヒーと称賛されています。完熟したネクタリンのような深い甘味や、パッションフルーツのような爽やかで香り高い酸味、ジャスミンのようなフローラルな香りなど、コーヒーの常識を覆すようなフレーバーがあります。
苦みや雑味がなく、心地よい酸味・まろやかで甘い豊穣さ・・・コーヒーが苦手な人に受け入れられる味なのかもしれません。

ゲイシャコーヒーの値段が高くなる理由
「ゲイシャショック」が世界のコーヒー市場に与えた影響
ゲイシャコーヒーはエチオピアで発見されてから70年余り、注目されることはありませんでした。
けれども、前述のとおり2004年にパナマのエスメラルダ農園によって「ベスト・オブ・パナマ」に初めて出品され、世界最高価格を更新。一躍世界の高級スペシャリティコーヒーの舞台に躍り出ました。
とはいえ高価格になる背景のひとつには、栽培できる地域が限られている点が影響しています。一定の条件を満たした高地でしか栽培できないからです。一般的に標高1500~1700m程度の急斜面で栽培されることが多く、限られた国や地域でしか栽培ができません。
さらに・・・・
栽培できる地域が限られている上に、ゲイシャコーヒーの収穫量は他の品種の半分程度。同じ1本のコーヒーの木を植えても、ゲイシャ種では1/2程度しか収量を上げることができません。

◇もうひとつの要因「栽培に手間がかかる」◇
栽培に手間がかかることも価格を押し上げています。コーヒーを栽培する際、枝と枝の間隔が狭く、急斜面で栽培されることの多いゲイシャ種では機械を搬入しての収穫作業が困難です。そのため手作業での収穫が主となり、人件費も上乗せされているのが現状です。
ゲイシャコーヒー!特にパナマゲイシャの高額取引は暫く続きそうですね。
