ワインあるある!!
『私・・酸化防止剤が入ったワインを飲むと翌日頭痛がするんだよね』
って毎年2-3人の方から言われます。
スーパー等々で販売してる国産の『無添加ワインは健康にいい!』
これも言う方おりますね。
しかし・・・
ワインボトルに記載されている「亜硫酸塩含有」「酸化防止剤」と頭痛や体の不調は、関連が無いんです。
「ワインを飲むと頭痛がする」の原因が特定されました
■□■□「ワイン不耐性」■□■□
「ワイン不耐性」とは、ワインの中に含まれるある物質によって引き起こされる頭痛、吐き気、紅潮、等々の症状の事です。この原因はアルコールが肝臓の機能によって分解された際に生じるアセトアルデヒドの毒性によることが分かっています。
『マスターオブワイン』であるソフィー・パーカー・トムソンの研究によって、「ワイン不耐性」の原因が「生体アミン」であり、その中でもヒスタミンが主因であると特定されました。「ワイン不耐性」=頭痛や体の不調の原因が、「亜硫酸塩含有」「酸化防止剤」とは関係なかったということになりました。
白ワインは大丈夫なのに赤ワインを飲むと頭痛になるという人は「ヒスタミン」が原因の可能性が高いです。
ちなみにワインと一緒に食べられることが多いチーズですが、こちらもチラミンが多く含まれていることから、「チーズとワインと一緒に摂取すると頭痛になりやすい」とも言われています。
※『マスターオブワイン』(MW)とはワイン生産者、ワイン流通関係者、ソムリエ、ワイン・ジャーナリスト、ワイン・ライター等、多種多様な職種から構成されたワイン業界においてもっとも名声の高い資格です。
ソフィー・パーカー・トムソン夫妻の研究によって発表されました。
ここで一言お断りを・・・・
「生体アミン」とか「アセトアルデヒド」化学的なお話しになってしまうと、荒野非常に「ちんぷんかんぷん」になってしまうのでこの辺りはご了承ください。笑。
□■頭痛の原因!!『生体アミン』これをワインの中から減らすには??□■
生体アミンが生まれるメカニズムは、ワイン中の微生物によって作られることが分かっています。この微生物は亜硫酸の殺菌効果に敏感に反応することが知られていて、亜硫酸塩をほとんど使わないでワイン(酸化防止剤無添加ワインとか)を造るという流行はこれら生体アミン生成微生物にとって完璧に「生体アミン」を生成する環境を逆に創り出していると言われています。
パーカー・トムソンの調査では異なるワイン醸造技術が生体アミンの含有量に与える影響を100種のニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランを使って検証しています。
その結果、亜硫酸を全く添加しないか、醸造の終盤にのみ添加した場合には、敏感な人には何らかの反応が出るほどの高濃度で生体アミンが含まれることが分かりました。
有害な微生物を阻害するために有用な、自然界に存在する酸が気候変動によって低くなりがちであることに加え、亜硫酸塩を添加することを嫌う自然派ワインの流行によって、生体アミンの発生率は大幅に上がったと考えられます。
「亜硫酸無添加」ワインとは
「酸化防止剤無添加」と書かれた国産ワインが、低価格で売られています。腐ったり、細菌は発生しないのか?
実は「熱処理」をしています。輸入果汁を発酵させて日本で造られる「酸化防止剤無添加ワイン」は、ワイナリーで瓶詰めされる直前に50-60度程度まで熱して殺菌しています。日本酒でいう「火入れ」を実施しているのです。ワインを60度まで熱しますので、ぶどう本来の風味は失われます。
ただし、冷蔵管理の早飲みワインや衛生管理を徹底して冷蔵管理をしているワインで無添加のワインも存在します。しかし、有機やオーガニックワインには亜硫酸添加が認められていますので、ほとんどのワインには少量でも亜硫酸は添加されています。もともとワインの醸造過程で自然発生的に亜硫酸が生成されますので、本当の無添加ワインは存在しないことになりますね。
亜硫酸塩をワインに添加するということは決して科学の時代に登場した近代技術ではありません。2000年以上も前の記録によると、古代ローマ時代の人々がアンフォラというワインを入れる壷に、ワインを満たす前に硫黄のかたまりを燃やして亜硫酸をつくりだし、雑菌の繁殖を防いだのが亜硫酸塩の恩恵にあずかった始まりといわれています。その技術が数千年の過程を経て現在の形で完成しました。
ワイン造りにおける亜硫酸の役割をきちんと知り、その上でできるだけ使用量を減らそうとする生産者の努力もあるんだぞ!!と。。
この辺も考慮した上でワインライフを楽しみたいですよね。