イタリアワインの至宝『サッシカイア』


イタリアワイン界に一大ムーブメントを巻き起こした立役者・・・・
イタリアワインの至宝『サッシカイア』



~サッシカイア誕生秘話~

トスカーナのティレニア海沿い、斜塔で有名なピサの町から60キロメートルほど南下した所にボルゲリ地区があります。 ボルゲリは、同州のキャンティやモンタルチーノに比べると気候は温暖です。またマレンマ湿地内に位置し、土壌は小石混ざりの粘土質が中心です。このボルゲリ地区こそが、スーパータスカン発祥の地であり、サッシカイアが誕生した地です。



サッシカイアの誕生は1944年まで遡ります。 ボルゲリに広大な土地を所有していたマリオ・インチーザ侯爵は、大のボルドーワイン好きでした。 しかし第二次世界大戦で敵国だったフランスワインが輸入されなくなり、やむなく自分たちの畑でボルドー風ワインを造ることにしました。 当時から交流のあったシャトー・ラフィット・ロートシルト(超有名ボルドーワイン)にそのことを伝えると、快くラフィットの苗木を送ってくれたそうです。

1ヘクタール程の畑にその苗木を植えたのがサッシカイアの始まりでした。 (スタートはあくまでも自家用ワインとして)
頭角を表してきたのは息子ニコロに経営が代わった1968年頃、、

■二代目オーナー:ニコロ・インチーザ

後に「スーパータスカンの父」と呼ばれる人物ジャコモタキスを迎え入れます。
数々のヒットワインを世に生み出すワインコンサルタントです。


二代目ニコロとタキスは
フレンチオークでの樽熟成など、当時最新鋭の技術を駆使し、とにかく「美味しいワイン」を造ることを追求しました。 彼らの功績は最新技術を導入だけれはありません、「ボルゲリ」という新しい産地を発掘し、国際品種ブームの火付け役にもなりました。


スーパータスカンの父と呼ばれるジャコモタキス氏





もともとボルゲリ地区は、白ワイン用、ロゼワイン用のブドウしか栽培されていなかった地域です。

そこにカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木を植えた単なる偶然だったのか??

ボルドー・メドック地区は大西洋海沿いの温暖な海洋性気候です。
これはマレンマ湿地ボルゲリに酷似した気候風土であり、土壌も小石に覆われた畑でした。
つまり、ボルゲリはカベルネ・ソーヴィニヨンにとって最適なテロワールだったわけです。


■ベスト・カベルネの称号
そして「サッシカイア」の実力を決定づけたのが、1978年イギリスで最も権威あるワイン専門誌である『デキャンタ誌』が主催するブラインド・テイスティングにおいて、ボルドー5大シャトーのひとつ『シャトー・マルゴー』らの名だたる名門ワイナリーを抑え、サッシカイアがベスト・カベルネの称号を獲得してしまったのです。

これにより一躍世界のトップワインになったサッシカイアに続けと、
未開拓地だったボルゲリに多くの資産家が押し寄せワイナリーを建設、
国際品種の植樹やバリック熟成などモダンなスタイルのワインが続々と
多く造られるようになりました。

数々の功績を残したサッシカイアは、1994年にDOCに認定されます。
これは単独ワイナリーとして唯一のDOCであり、
「DOCボルゲリ・サッシカイア」
自身のワインがついた名誉あることでした。

元々法律に縛られないカテゴリー『スーパータスカン』
その筆頭サッシカイアが、
ついに法律までも変えてしまったわけです。