今回は、ワイン用語で知っておきたい「セカンドラベル」についてご紹介します!
高級ワインを眺めながら、ふと横眼に同じようなラベルデザインで同じ造り手の”比較的手の届きやすい価格帯”のワインを見掛けたことはありませんか?ワイン名もどこか似てるような雰囲気で。。。
実はこの辺を知っていると、ワンランク上のワインライフを楽しむことが出来るかもです。
今回は、ワイン用語で知っておきたい「セカンドラベル」についてご紹介します!
ファーストラベルのワインとは、造り手にとっての「最上級」のワイン.
フランス・ボルドー地方で例えると、シャトー(造り手)が各々に生産しているラインナップの中でも、「シャトーの顔」とも言えるワインです。
シャトー・ムートン,シャトーマルゴー、シャトーカロンセギュール等々
言わずと知れた銘柄がファーストラベルのワインです。
ブドウの樹齢やワインの熟成期間、新樽率などを吟味し生産される為、
シャトーの中でも最高級の価格帯となります。
一方のセカンドラベルとは
フランス語ではSecond Vin(スゴン・ヴァン)と言われます。
以下の規定で生産されます。
・ファーストラベルよりも樹齢の若いブドウから造られたワイン
・醸造初期の熟成段階で選別されたワイン
・ファーストラベルとは区別された特定の区画のワイン
セカンドラベルの魅力は、ファーストラベルと同じ造り手であることはもちろん、ファーストラベルの製造スタイルと個性をそのまま活かしたタイプであること、価格帯もファーストラベルよりかなり抑えられることですね。
威厳のある印象が強いファーストラベル対してセカンドラベルは造り手のスタイルをより実感出来るワイン。さらにセカンドラベルはファーストラベルよりも生産量が少なく、世界的に稀少価値のあるセカンドラベルも多く存在しています。(※基本ワイナリーはファーストラベルで販売したいですからね。)
用語の意味を知らずに「セカンドラベル」って聞くと”二番手のワイン”
ってなノリでネガティブなイメージを持つ方も多いかも。
しかし権威あるファーストラベルのワインの醸造スタイルや個性もかぎりなく近いワインだと知ると、、、どうですか??どう感じますか? それも約1/3の価格で入手出来たりしたら・・・・
逆に言うとこれほど贅沢でお得なワインはないのかもしれませんよ!
※↑↑ボルドーメドック3級という格付け以上の知名度と人気を誇るボルドーサンテステフ「シャトーカロンセギュール」と
セカンドラベル、サードラベル////
■セカンドワインのメリットとは~~
〇手頃な価格であること
メドック地区1級シャトーをはじめとしたカベルネ・ソーヴィニヨン主体の高級ワインは、若いうちはタンニンが強すぎて飲みづらいことが多いです。最近は醸造技術の発達でかなり楽しめるようになってきましたが、それでも何十年後に飲むことも想定してつくっているのは事実。
一方でセカンドワインはそこまで長く熟成させることを想定していないので早飲みできるのがメリット。
ファーストラベルより安いから早く飲み頃を迎えるのか、熟成ポテンシャルなどの品質が低いから安いのか。卵が先か鶏が先かですが、あまり気にしなくて良いです。
まだまだ熟成していないファーストラベルとセカンドワインの同じヴィンテージを飲み比べて、セカンドワインの方が美味しく感じることはままありますからね。
「セカンドワイン」という概念が誕生した場所は、フランスのボルドー地方です。
ボルドーのワインは基本的に「ワイナリー名=ワイン名」です。
その例外としてワイナリーの名前を冠したワインより低価格で
販売されるもう一つのワイン。それが「セカンドワイン」として位置づけられます。
「セカンドラベル」と呼ぶこともあります。
※「セカンドワイン」=「セカンドラベル」
そもそも「セカンドワイン」を作らざる負えない理由があったのがきっかけなんです。
それがボルドーの気候!!これが大きな要因です。
~ボルドーの気候~
ボルドーは1年を通してある程度の降雨量がある海洋性気候です。雨によって湿度が上がった状態はブドウに病気をもたらしますが、収穫期はもっと影響が深刻。もうすぐ収穫というタイミングで雨が降ると、ブドウが水を吸って実が膨らみ、糖分や風味が薄まってしまいます。悪いときは実が破裂しそこから腐敗が始まります。
~それゆえ発展したブレンド技術~
※↑の地図を参照
ジロンド川左岸の地区はカベルネ・ソーヴィニヨンを主体に
メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドをブレンド。
ジロンド川右岸ではメルローを中心にカベルネ・フランや
時にカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンド。
ボルドーのワインは複数品種をブレンドし、その比率を毎年変えるのが基本です。
これは気候と関係します。
カベルネ・ソーヴィニヨンは熟すのが遅く、メルローは早いなど、
収穫のタイミングが品種により違います。
この収穫期の差が、雨による品質低下に対するリスクヘッジとなります。
「全部のブドウの出来が良くない」ということを減らせるのです。
出来のいいブドウ品種の割合を増やし、出来がイマイチだった
ブドウの味わいを補う
。そのようにしてヴィンテージごとの品質の差を小さくするのが、
複数品種をブレンドする狙いの一つです。
~~~セカンドワインの誕生~~~
とはいえ・・・ブレンド比率を変える程度ではカバーできないほど難しい年もあります。
畑が広ければブドウの良し悪しも様々。いいブドウもあれば今年は良くない区画もある。その良くない区画のブドウを使ってしまうと、毎年飲んでる顧客をがっかりさせてしまうかもしれない。かといってブドウを捨てるわけにもいかない。。。。
ならば別のワインとして売り出そうというのが「セカンドワイン」の始まりです。
ワイナリーの看板であり上級ワインを「ファーストラベル」と呼びます。
セカンドワインをつくる目的は、ファーストラベルの
ブランド価値を保つためです。
価格、飲み頃の観点からみて
だからこそセカンドワイン、セカンドラベルは狙い目なんです。
このお値打ち感を知ってしまった人、経験豊富な人、、、、
常に”セカンド”狙ってます!!