イタリアを代表するスパークリングワイン『プロセッコ』を徹底的に調べます!



イタリアを代表するスパークリングワイン『プロセッコ』を徹底的に調べます!っw。

大晦日~年が開けた瞬間、花火が打ち明けられみんなで新年を祝う。ワインが抜栓されグラスに注がれる、、、
高価なフランチャコルタやシャンパーニュではなくて、大衆的なプロセッコで新しい年を迎える。それだけイタリアにおけるプロセッコの存在感は圧倒的です。「食事の前にちょっと一杯」というときの選択肢としてやはりプロセッコである。
そしてイタリアではTVで「プロセッコのCM」が流れまくる。年末に日本でビールのCMが流れまくるように、イタリアではプロセッコのCMが流れまくる。「プロセッコはイタリアを流れる血液のようなもの」・・・なんていう人も居る位ポピュラーな存在なのかもしれない。

近年はスパークリングワインの市場が拡大を続けている。
2021年の統計であるが、、
欧州域外への輸出量を見てもロセッコが2億7300万リットル(シェア43%)で首位。
2位はシャンパーニュで9400万リットル(シェア15%)、次いでカヴァ(6500万リットル、シェア10%)という並びになる。(因みにこの3つが世界3大スパークリングワインという位置付けである。)高額なシャンパーニュのシェア15%も凄いが、、欧州域外へと輸出されるスパークリングワインの半分近くがプロセッコというのも驚異的な数字である。


~~シャンパーニュとプロセッコ何が違うのか?~~
ある記事にこんな事が書いてあった・・・・
「プロセッコはシャンパーニュとは違う。泡はあるが、似てるのはそれだけだっ!」
シャープさではなく丸み。複雑さではなくたっぷりの果実味。熟成がもたらす香りではなく、醸造がもたらす果実の芳香。それがプロセッコの魅力なんだとおもいます。


プロセッコとは何かといえば、それは村の名前である。しかしプロセッコはプロセッコ村が発祥の地なのだが、めちゃくちゃ面倒くさいことに現在の生産地はプロセッコ村から150キロくらい離れた場所にある。(これもイタリアらしい笑。)プロセッコというブドウ品種はイタリアの東の果てであり長く他国の領土だったりもしたトリエステから、少しずつ西に進む感じで伝播していった。そして現在のプロセッコの本拠地はヴェネト州トレヴィーゾ県のコネリアーノと隣接するベッルーノ県のヴァルドッビアーデネにまたがる冷涼な丘に移っている。

(左)発祥地 (右)現在の産地


~プロセッコはどんなワインか?~
原産地保護のなどの整備が進められていく過程で、「プロセッコという品種から造られたプロセッコという名前のワイン」は原産地名と品種名が同じで紛らわしいという理由から、2009年にプロセッコはグレラへ品種名を改め、「グレラという品種で造るプロセッコという名前のワイン」となって、今に至る。
ということでそもそものプロセッコの定義をお伝えしておきます。
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州とヴェネト州で造られ、85%以上がグレラ、15%以下がその他のブドウ(シャルドネ、ピノビアンコ、ピノグリージョ等)が使われる。ロゼはグレラが85-90%、ピノ・ネロが10-15%と決められている。また、シャンパーニュや同じイタリアのフランチャコルタとプロセッコは製法そのものが異なる。前者が瓶内二次発酵であるのに対し、プロセッコはステンレスタンク内で発酵を行うマルティノッティ方式(シャルマ方式のイタリアでの呼び名)。そのため、プロセッコは大量に早く低コストで生産することが可能なわけです。

※↑ ↑ステンレスタンク内で発酵


★☆★~プロセッコ6の階層~★☆★

プロセッコは、6層の階層に分かれている。その頂点にあるのが、ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ・ディ・カルティッツェDOCG。今回の試飲販売会で登場するプロセッコは頂点の『カルティッツェDOCG』107ヘクタールの畑から採れるブドウだけで造られる。

“プロセッコのグランクリュ”とも言われる↑カルティッツェDOCGの畑で造られるプロセッコは近年価格が高騰しており、イタリアでもっとも高額な畑とも言われているのだそうで、さらにはただのプロセッコとは違うという矜持から「プロセッコ」と記載しないケースもあるみたです。

以下
■コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スペリオーレ・リヴDOCG

■コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スペリオーレDOCG

■アソロ・プロセッコDOCG


広域な範囲のブドウで造られたプロセッコたちは
プロセッコDOCトレヴィーゾ、プロセッコDOCトリエステ、DOCプロセッコとランクされる。




※現地のワインショップの棚

~■プロセッコの糖度について~
プロセッコは残糖度によってブリュット、エクストラドライ、ドライブリュットに分類される。以下のような感じだ。

・0-3g/L ブリュットナチュール

・0-6g/L エクストラブリュット

・~12g/L ブリュット

・12~17g/L エクストラドライ

・17~32g/L ドライ

・32~50g/L ドゥミセック

(ここ↓注目!!)
ブリュットの規定はシャンパーニュと同じMAX12g/L。なのだが、プロセッコは同じブリュットでも残糖が多めに残っているケースが多い。(多く感じる?)
その理由とは・・・・
やはりグレラというぶどう品種に答えがあって、どうやらこの品種、糖度が25%もあり、シャンパーニュ地方のシャルドネ種より+5%くらい糖度が高いんです。
詳しいことは??だけど・・・異なる糖度のものを同じアルコール度数に合わせようと思ったら必然的に元の糖度の高いブドウのほうが残糖が多くなりますよね。そんなわけで、12g/Lのブリュットの規定ギリまで残糖が残ってるケースが多いみたいです。とはいえ!!
それだけ糖度が高いのに、酸も残るのがグレラの特徴。そして、その特徴を活かせるのがヴェルドッビアーデネエリア~コネリアーノエリアで栽培されるグレラ種なんです。

荒野的にプロセッコを語ると・・・・
安価な?質が低いプロセッコほど、、、飲めば飲むほど残糖だけの甘ったるい印象が残り、高級になる?質が高いほどブドウの果実味(甘味とも旨味ともとれる)とぶどうの酸がバランス良く共存しています。
プロセッコDOCトレヴィーゾクラスとプロセッコ・スペリオーレ・リヴDOCGを同時に飲めば泡質、味のバランス、深み、余韻全てにおいて違いを感じるとおもいます。

今回の記事をご一読されてから
6/8の第35回試飲販売会で登場する『プロセッコのグランクリュ』と言われるプロセッコの頂点!!
ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ・ディ・カルティッツェDOCGを飲むと
また違った見方、、、楽しみを感じてくれるではないでしょうか??