インフューズドコーヒー アナエロビック
スペシャルティコーヒーの次のゾーン
『アナエロビック ファーメンテーション』コーヒーと『インフューズドコーヒー』の違いとは??
「アナエロビック」英語表記だと「anaerobic」と表記されます。
これは嫌気性、酸素を必要としないという意味になります。正式名称は「アナエロビック ファーメンテーション」
嫌気性発酵という意味です。これはもともとワインの製造過程でよく見られた発酵の手法になります。
コーヒーにおいての精選過程において、通常酸素に触れた状態で発酵を進めていきますが、しかし発酵酵母の中には、酸素を嫌がる酵母菌やバクテリアもいます。これらの活動を促し発酵させることで通常の精選とは違った味わいや、アロマが生じていきます。
この酸素が嫌いな酵母やバクテリアを活発にさせるために、タンクなどに詰め、空気を抜いて発酵させる方法を「嫌気性発酵」、つまりアナエロビック ファーメンテーションといいます。
■「アナエロビック」の味わいの特徴
トロピカルな味わいの傾向になることが多く、ワインや、モルトウイスキー、またはラム酒などを思わせるニュアンスも感じられます。 全体的に香りも強いものが多いですね。昨年、一昨年とフレスタで販売したコロンビアのアナエロビックはWアナエロビックといって精製過程で2回嫌気性発酵処理をしていたのでトロピカルな風味たっぷりな味わいでした。
「インフューズド」英語表記だと「infused」
直訳すると染み込ませるという意味です。
前述の「アナエロビック」が精選方法だとすれば、「インフューズド」は加工方法になります。
インフューズドコーヒーは、焙煎前のコーヒー豆(生豆)や精製段階においてフレーバーや香りを加えることで、独自の風味を持たせたコーヒーのことを指します。
製造過程において『アナエロビック』と『インフューズドコーヒー』の違い。
■アナエロビック
食材などを使わずに微生物力によってフレーバーを作り出す
■インフューズドコーヒー
精製中や生豆状態のときに、ワイン、ウイスキーやフルーツ、スパイスなどの「副材料」を使うことで、フレーバーを付け加えたコーヒー
違いは「副材料」を「使っているかどうか」です。
また、インフューズドコーヒーも2種類に分けることができます。
●インフューズドコーヒー(インフュージョンコーヒー)
生豆を食材に漬け込んだもの。
ウイスキーやラム酒、ワイン、様々なフルーツの果汁に漬け込むことが多い。
●カルチャリングプロセス
生豆の前の状態での添加。
特徴は、通常の精製処理の段階「ウォッシュドプロセスとほとんど同じ工程」であること。
ウォッシュドと違うのは、発酵の工程でウイスキーやラム酒、ワイン、様々なフルーツの果汁に漬け込むことである。
何方にせよ今後スペシャルティコーヒーの次のゾーン。次世代のコーヒーとして注目を浴びている存在であることは間違いない。そしてそこには必ず賛否がつきまとう。人工的にフレーバー付けしたコーヒーは邪道で微生物力によるフレーバーなら良いのか??
そうではない!!
このコーヒーはどういう過程を経て生産されたのか。。
情報を明確に開示すれば、、、あとは各々の嗜好にあったものを消費者が選べば良いのです。
外野がとやかく言うことでもない。。。。騒ぎ立てる人ほど何とやら・・・・これもよの常。。。
コーヒーを深く知っていくと、「これはアナエロビックなの?」「インフューズドコーヒーなの?」という疑問を持つ方も出てくるかもしれません。
現代のコーヒー業界では、精製方法の進化は目まぐるしく、毎年のように新しい方法が開発されます。
そのため、はっきりと情報開示をして「曖昧さ」を無くせば、、、コーヒーの楽しみを広げてくれるだけだとおもいます。